「行ってはいけない」と言われる最大の要因は、医療行為そのものへの不信感だけでなく、受診によって発生する生活上のペナルティにあります。特に知っておくべきは、生命保険・医療保険の加入制限です。保険会社への告知義務により、通院歴や投薬歴があると向こう数年間は新規加入や見直しを断られるケースが多発します。将来の備えを固める前に受診したことで、保険の選択肢を失って後悔する人は珍しくありません。
さらに、安易な診断書取得と休職のデメリットも見逃せません。診断書があれば休職して傷病手当金(給与の約3分の2)を受給できますが、長期離職によるキャリアの停滞や昇進への影響、復職時の心理的ハードルは小さくありません。また、精神疾患への偏見が残る職場では、人間関係の軋轢を生む要因にもなり得ます。
「精神科に行かない方がいい理由」として語られる言説の多くも、こうした社会的制約や一度ついた診断名がカルテに残り続けることへの不安から生じています。