ネット上のコミュニティやSNS(旧Twitterやnote)、医療相談掲示板では、うつ病発症時の見た目の異変について、当事者や家族からの切実な声が数多く投稿されています。その中でも特に多く語られるのが、「目の奥の光が消えた」「死んだ魚のような目つきと言われた」という眼光の変化です。
都内のIT企業に勤務し、2024年に重度のうつ病で半年間の休職を経験した30代男性の手記には、当時の生々しい実態が記されています。
「朝の洗面所で鏡を見たとき、自分の顔なのに自分ではないような薄気味悪さを感じました。目が濁っていて、どこにも焦点が合っていない。家族からは『話しかけても視線が素通りしている』と言われました。当時は酷い疲労感のせいだと思っていましたが、休職して抗うつ薬の治療が進むにつれ、徐々に黒目の輝きが戻っていくのを実感しました」(手記より引用)
視線の変化には科学的な裏付けが存在します。うつ病による強い不安や集中力の途絶は、眼球運動の滑らかさを司る中脳領域の働きを鈍らせます。その結果、相手の目をまっすぐ見ることができなくなったり、一点を凝視したまま動かなくなったりする現象が起きるのです。
さらに、多くの人が言及するのが顔色の悪化です。うつ病になると交感神経と副交感神経のバランスが完全に崩れ、慢性的な末梢血管の収縮が起こります。血流量の低下に加えて、不眠によるヘモグロビンの代謝不全、食欲不振による脱水や栄養失調が重なることで、皮膚は弾力を失い、青白さを通り越した土気色(灰色がかった顔色)へと変わります。ネットの投稿でも「ファンデーションが全く乗らなくなった」「目の下のクマが青黒く沈着した」といった体験談が散見され、身体の内側の循環破綻が皮膚表面に刻まれていることが分かります。