「どの程度の変化なら病院に連絡していいのか分からない」「こんな些細なことで電話したら迷惑ではないか」と躊躇してしまう妊婦は非常に多いです。しかし、産婦人科受診の目安は明確にガイドライン化されています。
【即日〜翌朝の速やかな受診が必要なケース】
- おりものの色が黄色を通り越して「黄緑色」または「緑色」に変化している
- カッテージチーズ状のポロポロした塊が大量に出ており、強いかゆみや熱感を伴う
- 生臭い魚の腐敗臭やツンとする刺激臭が明らかに鼻をつく
- 黄色いおりものの中に鮮血、あるいは赤褐色のレバー状の血の塊が混じる
- 生理痛よりも重い下腹部の締め付けられるような痛みや、周期的な痛みが持続する
【次回の定期妊婦健診で相談すれば問題ないケース】
- 色は薄い黄色やクリーム色だが、かゆみ・痛み・腫れなどの自覚症状が一切ない
- 臭いは普段と変わらないか、わずかに甘酸っぱい程度である
- 下腹部痛はなく、基礎体温も高温期をキープしており全身状態が良好である
- おりものシートに付着して時間が経った後だけ黄色く見え、拭き取った直後は白〜透明である
【プロの結論】自宅待機すべき人と速やかに医療機関を頼るべき人の判断基準
産科臨床の最前線から導き出される結論は極めてシンプルです。「局所症状(かゆみ・悪臭)または全身症状(腹痛・発熱・鮮血)が1つでも重なっているなら迷わず受診、色と適度な粘り気だけであれば清潔を保ちながら経過観察」が絶対の判断境界線となります。
もし医療機関へ電話相談、あるいは診察を受ける際には、以下の項目をメモして伝えると診察が極めてスムーズになります:
- 現在の妊娠週数(または最終月経開始日)
- おりものの性状が変化した正確な日時(何日前からか)
- おりものの質感(ねばねば、水っぽい、泡状、チーズ状など)
- 自覚症状の有無(かゆみ、下腹部痛の強さ、排尿痛、発熱)
- 出血の混入有無(ティッシュにつく程度か、ナプキンが必要な量か)
なお、病院に行く直前に「恥ずかしいから」と石鹸で膣の内部まで入念に洗い流してしまう方がいますが、これは絶対に避けてください。膣内の病原菌や分泌物の顕微鏡検査・培養検査ができなくなり、正確な診断を妨げる原因になります。外陰部をシャワーのお湯で軽く流す程度に留め、可能であれば異変を感じたおりものシートを密閉袋に入れて持参すると、医師の視診において非常に有力な情報源となります。