毎年11月1日を迎えた瞬間、世界中のソーシャルメディアには「彼女が目覚めた(She is defrosted)」というミームが溢れ返ります。マライア本人が投稿する告知動画を合図に、世界各地のストリーミング再生回数は垂直立ち上がりを見せ、12月に入ると米ビルボード「Hot 100」のトップに君臨するのが冬の恒例行事となりました。
音楽ジャーナリストが分析するビルボードにおけるチャート推移の特異点は、単なる懐メロの再浮上ではありません。2010年代後半からのストリーミングサービスの普及に伴い、プレイリスト文化が定着したことで、リスナーが能動的に検索しなくても日常のBGMとして自動再生されるサイクルが完成しました。さらにBillboardがストリーミング指標の比重を段階的に高めた結果、ホリデー期間中の再生回数が爆発的なポイントを生み出し、現役の最新ヒット曲を軽々と凌駕する逆転劇が定例化したのです。
全米チャートで通算首位獲得週数を更新し続けるその勢いは、売上とギネス世界記録の数々にも直結しています。「ストリーミングサービスにおいて24時間で最も再生された曲」「全米シングルチャートで最も長くトップ10にランクインしたホリデーソング」など、ギネスブックの歴史を次々と塗り替えてきました。名実ともに人類史上で最も成功した現代のホリデー・アンセムと言えます。