全国の百貨店やイベント会場で開催される「九州うまかもん市」は、催事ビジネスにおいて常にトップクラスの動員力を誇る。その中心軸にあるのが、多彩な歴史的背景から育まれた福岡ご当地グルメの数々だ。大陸との交易拠点として栄えた博多では、独自の出汁文化と濃口醤油の醸造技術が結びつき、力強くも繊細な味覚体系が構築されてきた。
福岡市経済観光文化局の動態調査および民間シンクタンクの意識調査によれば、来訪者の約87.4%が「旅の主目的は食(グルメ)」と回答している。さらに2024年から2026年にかけて、単なる有名チェーンの巡回から「地元民が愛する路地裏の個人店」や「産地直結の旬食材」を求める傾向が急増した。こうした消費行動の変化が、物産展における「本場直送」の熱狂をさらに加速させている。