現代のエンターテインメント表現においても、一点透視図法は最強の武器として君臨しています。特にアニメーション制作の分野では、画面に圧倒的な奥行きと躍動感を与えるために多用されています。
例えばスタジオジブリの金字塔『千と千尋の神隠し』では、冒頭の不思議なトンネルへ続く参道や、油屋内部の絢爛豪華な廊下のシーンでこの手法が効果的に機能しています。観客は主人公の千尋と同じ視線で奥へ奥へと誘われ、異世界へ迷い込む緊張感を体験するのです。またピクサー・アニメーション・スタジオによる3Dアニメ作品でも、構図の骨組みとして幾何学的なパース設計が綿密になされており、キャラクターの感情移入を助ける視線誘導に一役買っています。