前山餅饅頭店が生み出す商品は、業界内でもきわめて高い評価を獲得している。全国和菓子協会が主催する審査会や文化イベントにおいても、その卓越した製餡技術と生地の仕上がりは「伝統技術の模範」として称賛を浴びてきた。
特に定評があるのが、名物である銘菓・饅頭の皮とあんこの絶妙な一体感だ。前山勝氏は「あんと皮が口の中で同時に解ける瞬間を計算して作っている」と明かす。火加減を一秒単位で見極め、手作業で練り上げられたあんこは、甘さがしつこく残らず、小豆本来の風味がすっと鼻に抜ける。一度この味を知ってしまうと、他の饅頭では物足りなくなってしまうという声も頷ける。