こうした旅行者の行動変容に対応するため、両国政府による制度面の環境整備も加速している。大韓民国文化体育観光部と中国文化観光部による緊密な協議のもと、渡航手続きの簡素化や航空路線の再編が段階的に進められてきた。とりわけ、尹錫悦政権が主導する観光振興策の一環として、地方空港を活用したチャーター便の増発や広域観光ルートの開拓が積極的に推進されている。
その先陣を切るのが済州特別自治道だ。同地域では以前から導入されているノービザ渡航政策を軸に、リゾート地としてのブランディングを再構築。単なるカジノやショッピングにとどまらず、島内のトレッキングコース「済州オルレ」の踏破や、伝統的な海女文化を体験するエコツアーなど、アクティビティを組み込んだ長期滞在型のプランが人気を集めている。
ビザ発給要件の緩和と交通アクセスの改善が相乗効果を生み、ソウル一極集中だった目的地が済州島をはじめとする地方都市へと分散し始めた点は、観光インフラ全体の健全化にとっても大きな一歩と言えるだろう。