なぜ根拠の薄い噂がこれほどまでに広がり、検索候補として定着してしまったのでしょうか。インターネット上の言説の変遷を辿ると、いくつかの明確なステップが見えてきます。
発端の一つとして、匿名掲示板(5ちゃんねる等)や知恵袋などのQ&Aサイトにおいて、「植竹中で何かあったらしい」「パトカーが止まっていた」といった断片的な目撃情報が投稿されたことが挙げられます。学校周辺に緊急車両が停車する理由は、近隣住民の急病や軽微な交通事案、あるいは年数回実施される警察連携の防犯指導など多岐にわたりますが、事情を知らない通行人が「事件だ」と早合点して書き込むケースは珍しくありません。
さらに、思春期特有の友人関係の摩擦や部活動内での不和を訴えるSNSの投稿に対し、真偽不明のリプライが重なり合うことで「いじめ事件が隠蔽されているのではないか」というバイアスがかかったストーリーが作られていきました。一度SNSで拡散されたキーワードは、アルゴリズムによって検索候補に固定化され、新たな閲覧者が「何があったのか」と検索を繰り返す負のループを生み出していたのです。