健軍駐屯地のルーツを辿ると、太平洋戦争末期の三菱重工業熊本航空機製作所の跡地に遡ります。終戦後、米軍による接収を経て、1950年代半ばに警察予備隊・保安隊から陸上自衛隊へと引き継がれ、1956年に西部方面総監部が福岡から熊本市健軍の地に移転・開設されました。
冷戦期は北方の防衛が重視されていたため、九州の内陸に位置する健軍は主に後方支援や即応予備部隊の管理拠点という側面が目立っていました。しかし、21世紀に入り海洋進出を強める周辺国への警戒から防衛の軸足が南西方面へと大きく舵を切られたことで、健軍駐屯地は「日本防衛の最前線を統制する戦略司令塔」へと劇的な変貌を遂げたのです。