未確認飛行物体や未知の生命体として語られることが多いトゲランパサランですが、自然科学の観点からは主に3つの有力な正体仮説が提示されています。博物館の学芸員や植物・動物研究者の見解をもとに、その実態を整理します。
特にトゲランパサランの「硬い突起」を説明する上で最も合致するのが、キク科植物であるフジアザミやノアザミの冠毛、およびガガイモ科植物の種子です。ガガイモの実は晩秋に裂開し、中から光沢のある白く美しい冠毛が飛び出します。この冠毛の中央には平たい種子(硬核)が存在し、乾燥状態によって放射状に激しく毛が立ち上がるため、トゲ状のシルエットを形成します。
また、山林で見つかる動物性状の塊については、フクロウなどの猛禽類が吐き出したペリットが有力です。鳥類や小動物の骨を中心に残したまま、細かな羽毛や体毛が乾燥・風化して棘状に広がる現象は、フィールドワーカーの間でも広く知られています。