テニスやバドミントンといった従来のラケットスポーツに挫折した経験がある人ほど、この競技の手軽さに衝撃を受ける。コートの広さはバドミントンのダブルスとほぼ同じ。ネットの高さもテニスよりわずかに低く設定されている。木製やカーボンファイバーで作られた板状のギアでボールを弾くこのパドルスポーツ最大の特長は、道具の扱いやすさと反発力の絶妙な抑制にある。
ルールは極めて合理的だ。サーブは腰より低い位置からのアンダーハンドに限定され、ネット際約2.1メートルのエリア「ノンボレーゾーン(通称キッチン)」ではノーバウンドでの強打が禁止されている。この制限があるおかげで、力任せのスマッシュ一発で勝負が決まることはない。繊細なコントロール、コート上のチェスとも称されるポジショニングの駆け引きが勝敗を分ける。運動経験が少ない初心者であっても、ラケットを握ってからわずか30分後には白熱したロングラリーの興奮を味わえるのだ。