本木雅弘の現在と家族の真相|異端の名優が辿り着いた境地

本木雅弘の現在と家族の真相|異端の名優が辿り着いた境地

本木雅弘の現在と家族の真相|異端の名優が辿り着いた境地に関する専門家の意見を分かりやすく解説いたします。

本木雅弘が家族とともにイギリスへの生活移転を決断した背景には、一般に報じられる「セレブの海外移住」というイメージとは大きく異なる、切実な親としての思慮と自己改革の欲求がありました。

直接的な引き金となったのは、長女である内田伽羅が12歳で英国パブリックスクールへ単身留学を決めたことでした。思春期を迎える娘を異国へ送り出すにあたり、「親としてただ日本から見守るのではなく、生活空間を共有しながら家族の新たなフェーズを築きたい」という妻・内田也哉子との合意が形成されました。さらに当時、次男の玄兎が誕生して間もなかったことも、生活拠点を一から再構築する後押しとなりました。

同時に見逃せないのが、2008年公開の映画『おくりびと』が米アカデミー賞外国語映画賞を受賞し、俳優としてひとつの頂点を極めてしまったことによる「燃え尽き症候群」の存在です。自著や手記のなかでも、本木雅弘は名声が高まるほどに生じる自己嫌悪やプレッシャーに言及しています。日本国内にいれば周囲から「巨匠」として扱われてしまう環境を自ら断ち切り、言葉の通じにくい完全なアウェー環境に身を置くことこそが、表現者としての枯渇を防ぐ唯一の延命策だったのです。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。