この激闘において、後世の創作でも名高い新選組(伏見奉行所を守備)はどのような戦いを見せたのでしょうか。局長・近藤勇が直前に御陵衛士残党の襲撃を受けて負傷離脱していた中、副長・土方歳三が指揮を執りました。
新選組は伏見奉行所から御香宮神社に陣取る薩摩藩軍に向けて斬り込みを敢行。しかし、高台から撃ち下ろされるアームストロング砲と小銃弾の嵐の前に、刀や槍による突撃は無力化されました。激戦の中で隊士の約3分の1が死傷し、結核を患っていた沖田総司らも後方へ搬送されるなど、壊滅的な打撃を受けます。
土方歳三は後に、この戦いを振り返って次のような痛烈な告白を残しています。
「もはや刀や槍の時代は終わった。これからの戦は鉄砲と大砲で決する」
剣術の頂点を極めた剣客集団が、火力の近代戦という冷酷な現実の前に粉砕された瞬間でした。土方はこの鳥羽・伏見での手痛い敗北を教訓とし、後の箱館戦争(五稜郭)では洋装に身を包み、最新の西洋式軍制と火力戦法を徹底的にマスターした名指揮官へと変貌していくことになります。