中村七之助が女形を選んだ理由とは|美の秘密と玉三郎の教え・結婚の真相

中村七之助が女形を選んだ理由とは|美の秘密と玉三郎の教え・結婚の真相

中村七之助が女形を選んだ理由とは|美の秘密と玉三郎の教え・結婚の真相を詳しくリサーチ! 読者が気になる 重要ポイントを分かりやすく展開します。

中村七之助が手掛ける役柄の幅広さは、現代歌舞伎界でも群を抜いています。清純な町娘から妖艶な傾城、果ては怨念に狂う悪女まで、彼が演じることで独自の輝きを放った当たり役を整理します。

古典歌舞伎の代表格として挙げられるのが、『お染久松色読販(お染の七役)』です。七之助は早変わりを駆使し、純真なお染、毒婦のお六、奥女中の竹川など身分も性格も異なる男女七役を見事に演じ分けました。単なる早変わりの技術にとどまらず、衣装が変わるごとに立ち居振る舞いや声色、纏う空気感まで一瞬で変貌させる演技力は、各紙の劇評でも絶賛されました。

また、人情の機微を描いた名作『刺青奇偶(いれずみちょうはん)』のお仲役も外せません。自暴自棄な博徒・半太郎(勘九郎)に身を寄せ、貧しさのなかで病に倒れながらも夫を深く愛し続ける市井の女性を演じた際、七之助が見せた哀切極まる表情は、客席の涙を誘いました。美貌を武器にしながらも、泥臭い人間の情念をさらけ出せる点に、彼の役者としての底知れぬ厚みがあります。

さらに、新作歌舞伎における挑戦も見逃せません。『風の谷のナウシカ』で演じたトルメキアの皇女・クシャナ役は、歌舞伎ファンのみならずサブカルチャー層にも強烈なインパクトを与えました。冷徹な軍人としての威厳と、血塗られた宿命を背負う姫の孤独を凛とした佇まいで体現し、「七之助にしか演じられない孤高の女性像」を確立しました。

高橋 健太
著者

高橋 健太

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。