品川区東品川の運河沿いに1999年12月にオープンしたテレビ東京天王洲スタジオ(テレビ東京天王洲ビル)は、当時のテレビ東京にとって悲願ともいえる本格的な大型スタジオ施設でした。当時の地上波各局が巨大な自社スタジオを湾岸エリアに整備する中、敷地面積・スタジオ規模ともに旧本社(港区虎ノ門・神谷町)の制約を打破する旗艦拠点として位置づけられていました。
特に約250坪を誇る「第1スタジオ」は、同局屈指の広さを活かして『ASAYAN』の緊迫したオーディション収録や、『テレ東音楽祭』『プレミアMelodiX!』といった大型音楽番組の収録スタジオとしてフル稼働しました。モーニング娘。やCHEMISTRYをはじめとするスターが誕生した瞬間の熱気は、今なお視聴者や音楽業界関係者の間で鮮烈な記憶として語り継がれています。
また、アイドルカルチャーの歴史においても特別な意味を持っています。『乃木坂工事中』や『欅って、書けない?』『日向坂で会いましょう』などのスタジオ収録や番組観覧が行われ、週末になると天王洲アイル駅からスタジオへ向かう多くのファンの姿が見られました。観覧席と演者の距離が近く、独特の濃密な空気感が生み出されるスタジオ空間は、テレ東らしいエッジの効いた番組作りの象徴でした。