なんJにおけるキャラクター人気は、王道の主人公勢だけでなく、影のある孤高のスナイパーや狂気を孕んだカリスマ敵役に強く偏る傾向が見られました。特に絶大な議論を呼んだのが尾形百之助です。
何を考えているか分からない飄々とした佇まい、超一流の狙撃技術、そして徐々に明かされる複雑な家庭環境と愛憎劇。尾形の行動原理や最期の心理描写を巡っては、なんJで無数の考察スレが乱立しました。「自分を愛してくれた人間を試すことでしか存在を確かめられなかった男」「祝福された道を選べなかった悲哀」など、深い人間心理を掘り下げた考察が活発に交わされ、単なる悪役に留まらない屈指の人気キャラとして定着しました。
第七師団を率いる鶴見中尉に対する反応も凄まじいものがありました。卓越した人心掌握術と情報戦、時に見せる奇怪な言動や頭部からの脳汁垂れ流しといった怪異描写が組み合わさり、「少年漫画史上屈指の魅力的な敵ボス」として畏怖と賞賛を集めました。部下を巧みに籠絡していく様は「鶴見のたらし込み術」として恐れられ、月島軍曹や鯉登少尉との主従関係の行方は毎週の注目の的となりました。
その他、門倉元看守部長やキラウㇱの「おっさん名コンビ」、豪快かつ男気あふれる牛山辰馬(不敗の牛山)、脱獄王・白石由竹など、脇を固めるすべてのキャラクターに唯一無二の見せ場が用意されていたことが、キャラ人気の厚みを生み出しました。