「マナガツオの刺身は白身のトロ」――料理人の間ではしばしばこのように表現されます。
一般的に白身魚の刺身といえば、タイやヒラメのようなコリコリとした弾力や淡白な甘みを連想しがちです。しかし、鮮度の良いマナガツオの刺身を口に運ぶと、舌の上でじんわりと脂が溶け出すバターのような濃厚さと、後味の上品なキレに驚かされます。
市場関係者への取材や各種食評コミュニティの検証でも、刺身に対する評価は極めて高いものがあります。
「産地の香川で初めて獲れたてのマナガツオを刺身で食べたが、タイともカンパチとも違う、絹のように滑らかな舌触りと独特の甘い脂に圧倒された」(40代・飲食店経営者)
「東京では焼き物のイメージしかなかったが、現地で食べた薄造りはカワハギの肝和えにも匹敵する深いコクがある」(50代・日本料理愛好家)
ただし、マナガツオは死後の身割れや鮮度低下が非常に早い魚です。産地近郊以外で生食用の刺身として流通することは稀であり、東京などの消費地では信頼できる専門店や目利きのある料理人が仕入れた個体でしか味わえない「幻の一皿」となっています。