セルン(Cern)の正体とは?加速器Lhcの真実と2026年最新計画

セルン(Cern)の正体とは?加速器Lhcの真実と2026年最新計画

セルン(Cern)の正体とは?加速器Lhcの真実と2026年最新計画についての最新情報をご紹介します。

セルンの心臓部とも呼べる装置が、地下およそ100メートルに敷設された大型ハドロン衝突型加速器LHC(Large Hadron Collider)です。周長約27キロメートル(山手線一周とほぼ同じ長さ)の超伝導磁石ループパイプを備えた、人類史上で最も巨大かつ精密な実験機械です。絶対零度に近いマイナス271.3度まで液体ヘリウムで冷却された真空のパイプ内で、陽子のビームを光速の99.9999991%まで加速し、特定の検出器内(ATLAS、CMSなど)で正面衝突させます。

この極限状態のエネルギー密度によって、宇宙誕生から「1兆分の1秒後」とされるビッグバン直後の超高温・超高圧状態を実験室内に擬似再現します。そこで生じた膨大な数の素粒子の崩壊カスケードを観測・記録する仕組みです。

2012年7月4日、世界中を駆け巡ったのが「ヒッグス粒子発見の経緯」をめぐる歴史的プレスリリースでした。半世紀前の1964年にピーター・ヒッグス博士らによって理論的に予言されながらも、実証されていなかった「物質に質量(重さ)を与える粒子」のシグナルが、約125 GeV(ギガ電子ボルト)のエネルギー領域でついに検出されたのです。

発表会場となった講堂の最前列で、老境に達したヒッグス博士が目頭を押さえながら「生きているうちにこの瞬間を見られるとは思わなかった」と声を詰まらせた映像は、近代科学史における最も感動的なシーンの一つとして語り継がれています。この世紀の大発見により、素粒子物理学の「標準模型(Standard Model)」が提示したすべての基本粒子が出揃い、翌2013年にはノーベル物理学賞が授与されました。

項目セルン(LHC)の主要スペック一般的な基準・相場データ編集部の見解・評価トンネル周長約26.7 km(地下約50m〜175m)JR山手線(約34.5km)の約8割国境をまたぐ土木建築としても人類最大級の規模。最大衝突エネルギー13.6 〜 14 TeV(テラ電子ボルト)旧来の米Fermilabテバトロン(約2 TeV)未知の素粒子を生成・観測可能な圧倒的世界唯一の領域。内部冷却温度1.9 K(約 -271.3 ℃)宇宙空間の平均温度(2.7 K)深宇宙よりも冷たい環境を超伝導のために人工維持。年間データ生成量年間50 PB(ペタバイト)以上数百万時間分の4K動画に相当世界中の分散コンピューティング(WLCG)で分散解析。
中村 さくら
著者

中村 さくら

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。