実写子役として順調なキャリアを歩んでいた木村良平さんが、なぜアニメや声優の世界で本格的に活動するようになったのでしょうか。そこには、思春期における身体的成長と「声の芝居」に対する強い惹かれがありました。
多くの実写子役が直面する「成長期に伴う外見の変化」と「配役のギャップ」という壁に対し、木村さんは早い段階から吹き替えのスタジオで声のみを用いた高度な心理描写に面白さを見出していました。当時の吹き替え現場はベテラン俳優たちがひしめく厳しい空間であり、台本を片手にマイク前で瞬時に感情を爆発させる先輩たちの姿に強い感銘を受けたといいます。
その後、2009年にフジテレビ「ノイタミナ」枠で放送されたアニメ『東のエデン』の主人公・滝沢朗役に抜擢されたことで、木村さんの名前はアニメファンに決定的な形で刻まれます。気負いのない、どこか飄々としたリアルな若者の空気感を声だけで完璧に体現した演技は、「実写出身の役者ならではの生きた芝居」として業界内外に衝撃を与えました。