暖簾をくぐった利用者の多くを悩ませるのが、多彩を極めるお品書きの選択です。お食事処やまにのメニューは、四季折々の旬を取り入れた日替わりから定番の御膳まで幅広く構成されていますが、その中でも双璧を成すのが名物の「海鮮丼」と、茨城の冬を代表する「あんこう鍋」です。
まず、年間を通じて不動の注文率を誇る海鮮丼は、マグロの中トロ、肉厚なホタテ、地元水揚げのヒラメやタイ、プリッとした食感のボタンエビなど、常時10〜12種類ものネタが贅沢に敷き詰められています。酢飯の配合も魚の脂を邪魔しない絶妙な酸度に設計されており、最後の一口まで重さを感じさせません。
一方、11月から3月下旬にかけて提供される冬季限定のあんこう鍋は、まさに大洗の冬の真髄です。あんこうの七つ道具(身、皮、水袋、キモ、エラ、ヒレ、卵巣)を余すところなく使用し、肝を空煎りして味噌と溶かし合わせる「どぶ汁」仕立ての濃厚なスープが特徴です。火を入れることでゼラチン質が溶け出し、野菜の甘みと一体化した出汁は、他の追随を許さない深みを持っています。また、日常使いとして親しまれるおすすめ定食類(刺身定食や煮魚定食、サクサクに揚がった地魚フライ定食)も、手頃な価格設定ながら主役級の満足度を誇ります。