ジョンの遺作群の中でも、「Real Love」が放つメッセージは極めてシンプルかつ純粋です。孤独や迷妄の時期を経て、生涯の愛に巡り合えた歓びがストレートに歌われています。
【「Real Love」主要フレーズの歌詞和訳】"All my little plans and schemes / Lost like some forgotten dreams"
(僕が企てていた小さな計画やすべての目論見は、忘れ去られた夢のように消えてしまった)
"Seems that all I really was doing / Was waiting for you"
(僕がこれまでやってきたことといえば、ただ君を待つことだけだったようだ)
"Yes, it's real love / Yes, it's real, yes it's real love, love"
(そう、これこそが本物の愛。紛れもない、本物の愛なんだ)
この詩世界を完璧に引き立てたのが、ジョージハリスン Real Love ギターの卓越したフレージングです。ジョージは1956年製フェンダー・ストラトキャスターを用い、繊細でどこか哀愁を帯びたスライドギターを随所に配置しました。イントロからアウトロに至るまで、ジョンのボーカルに寄り添うようなギターソロは、ファンの間でも「ジョージのキャリア屈指の名演」と評されています。
また、ポールマッカートニー Real Love 証言によると、ポールはダブルトラッキングのベースラインに加え、ジョンの原音ピアノに生ピアノとチェレスタを重ねて音像に奥行きを与えました。ポールとジョージによる完璧なバックボーカルが加わった瞬間、単なるデモテープは紛れもない「ビートルズのサウンド」へと昇華したのです。