日本大学相撲部で鳴らし、鳴り物入りで角界入りした遠藤が、なぜ現役バリバリの時期に伝統ある「北陣」の名跡を手に入れたのか。その背景には、追手風部屋の師匠(元幕内・大翔山)の卓越した先見性と、角界における熾烈な年寄株獲得競争があります。
大相撲界には「105」しか存在しない年寄株ですが、モンゴル出身力士の日本国籍取得や師匠の停年(定年)延長に伴い、近年は常に深刻な品不足が続いています。相場価格が一時期数億円とも囁かれた年寄名跡において、遠藤のような国民的人気力士であっても、引退時に株が空いている保証はどこにもありません。追手風師匠の強力なバックアップとタニマチ筋の支援を得て、名関脇・麒麟児の遺族側との信頼関係を築き上げ、早期に正式取得へと漕ぎ着けたことが、遠藤の将来的な協会残留と親方ロードを決定づけました。