1975年(昭和50年)の創業以来、松本市民のソウルフードとして親しまれてきた民芸レストラン盛よしに激震が走ったのは、2023年3月のことでした。店頭に突如掲出出された閉店の告知。理由は創業オーナーの高齢化と体力的な限界でした。地元住民はもちろん、県外から足を運んでいた長年のファンからも悲鳴のような惜別の声が上がり、最終営業日には数百人もの長蛇の列ができました。
しかし、この名店を地域から消してはならないと立ち上がったのが、松本市内で事業を手がける株式会社GENTENの代表をはじめとする有志たちでした。「盛よしの味と文化を松本の誇りとして後世へ残したい」という熱烈な想いのもと、創業者との粘り強い対話を重ね、レシピの伝承と屋号の継承が決定。厨房を支えていた元スタッフの復帰や若手料理人の育成を進め、同年の秋に奇跡の再オープンを成し遂げました。この電撃的な復活劇は、地方都市における事業承継の成功モデルとして各メディアでも大きく報じられました。