3種の漢字表記とその語源を紐解くと、古くから日本人が彼らの生態をいかに的確に観察し、生活に結びつけてきたかが浮き彫りになります。
イモリは漢字で「井守」と書きます。古来、水田や農業用水、井戸の水質を保ち、水辺を守る存在として親しまれてきたことが由来です。水が濁ったり農薬・化学物質が流入したりすると真っ先に姿を消すため、環境指標生物としても重宝されてきました。
一方、ヤモリは漢字で「家守」や「守宮」と表記されます。夜になると民家の灯りに集まってくる蛾やハエ、蚊、シロアリ、ゴキブリの幼虫などを捕食してくれるため、家屋を守る「益虫(益獣)」として重宝されてきました。民俗学や風水の世界でも、家守が家に現れると「火事から家を守る」「金運が上昇する」「繁栄の兆し」といった吉祥・縁起物として大切に扱われてきた歴史があります。
トカゲは「蜥蜴」と書き、古語では「戸陰(とかげ=戸の隙間や物陰に隠れるもの)」が転じたと伝えられています。日陰と日向を行き来しながら素早く獲物を狩る行動パターンがそのまま名前に定着しました。