ネット上やSNSでは「アダルトチルドレン」と「愛着障害」が同一視される場面が見受けられますが、臨床的なアプローチにおいて両者には明確な相違点が存在します。
まず前提として、アダルトチルドレンは精神医学上の正式な疾患名(DSM-5やICD-11に記載される病名)ではありません。 したがって、病院の精神科や心療内科を受診しても「あなたのアダルトチルドレン度は重度です」といった診断書が発行されるわけではありません。精神科での治療対象となるのは、AC傾向が引き金となって併発した「適応障害」「大うつ病性障害」「パニック障害」「PTSD(複雑性トラウマ)」などの医学的疾患です。
一方で「愛着障害(アタッチメント障害)」は、乳幼児期における特定の養育者との情緒的絆の形成不全を指す発達心理学・精神医学的概念です。愛着スタイルが「不安型」や「回避型」に偏っている場合、大人になってからの恋愛依存や対人恐怖に直結します。ACが「家族内の役割適応」に重きを置いた概念であるのに対し、愛着障害は「親密な関係性における安心感の土台」に焦点を当てています。