歴史ファンの間では定期的に「西郷隆盛の真の生前写真が発見されたのではないか」というニュースが話題に上ります。その代表例が、宣教師フルベッキとその生徒たちが写ったとされる「フルベッキ群像写真」です。この集合写真の中央付近に写る大柄な人物が西郷隆盛ではないかと騒がれた時期がありました。
しかし、近年の歴史学・写真研究の精密な検証により、フルベッキ写真に写っているのは佐賀藩の武雄領主家臣団らであり、西郷隆盛や坂本龍馬といった著名な志士たちが一堂に会して撮影されたものではないことが確定しています。
鹿児島県内の旧家や古写真のオークションなどで「西郷の写真」と銘打たれたものが持ち込まれる事例は現在もありますが、信頼に足る裏付けが取れた一次史料としての「本物の西郷隆盛の写真」は、現在に至るまで1枚も確認されていません。