骨折手術の骨ネジは一生抜かないと危険?放置リスクと最新の判断基準を解説

骨折手術の骨ネジは一生抜かないと危険?放置リスクと最新の判断基準を解説

骨折手術の骨ネジは一生抜かないと危険?放置リスクと最新の判断基準を解説について押さえておきたい 事実を分かりやすい構成で解説いたします。

「骨折の手術後、ネジを抜かないと体に害があるのではないか」と不安を抱く方は少なくありません。現在、整形外科の骨折固定具として主流となっているのは、生体適合性に優れたチタン合金や医療用ステンレス素材です。これらは体内で錆びたり毒性を発揮したりすることは基本的にないため、一生体内に残しても直ちに深刻な疾患を引き起こすわけではありません。

日本整形外科学会の知見や臨床データによると、特に60代以上の高齢者の場合、再手術による全身麻酔のリスクや身体的侵襲を避けるため、無症状であれば骨折のネジを抜かない選択をするケースが増加しています。しかし、体内放置には以下のような医学的リスクやデメリットが潜んでいることも事実です。

項目詳細・数値データ一般的な基準・相場編集部の見解・評価抜釘手術の時期術後6ヶ月〜2年以内(若年層は早め)骨癒合がレントゲン・CTで完全確認された後放置が2年を超えると骨癒合が進みすぎて抜去難度が跳ね上がる抜釘手術の入院期間日帰り〜3泊4日程度(鎖骨・手首は日帰り〜1泊、大腿骨は2〜4泊)局所麻酔なら日帰り、全身麻酔なら1〜3泊初回の骨折手術時に比べて圧倒的に短く、回復も早い手術費用(自己負担3割)約30,000円〜100,000円前後(部位・麻酔法・高額療養費制度適用により変動)初回の骨接合術(15万〜30万円超)より大幅に安価医療保険の手術給付金(抜釘術)の対象外になる約款もあるため事前確認必須感染症・トラブル発生率長期留置時の遅発性感染リスク:1%未満〜数%異物反応や局所の血流障害による発赤・化膿糖尿病や免疫低下がある場合は留置金属周囲の細菌繁殖リスクに注意

放置する最大のリスクは、長期経過に伴う「骨と金属の過剰な固着」です。チタン製ネジは骨親和性が非常に高いため、数年〜10年以上放置すると骨組織がネジの溝やプレートの隙間に深く入り込みます。その結果、将来的に感染症や再骨折で抜去が必要になった際、ネジ山が潰れて骨を大きく削らなければ取り出せなくなるトラブルが生じます。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。