デビュー当時から松田聖子には「ぶりっ子」「計算高い」というレッテルが貼られがちでした。泣き真似をする姿やカメラを意識した完璧な仕草が、一部の同性層から「あざとい」「性格が悪そう」と反発を呼んだのは事実です。当時は女性アイドルが自立した自我を持つこと自体が珍しく、彼女の突出した自己プロデュース力がバッシングの標的になりました。
私生活でのスキャンダルや渡米挑戦など、旧来のアイドル像を打ち破る大胆な行動も「我が強い」と曲解される要因でした。しかし、彼女が貫いたぶりっ子は、観客が求めるアイドル像を120パーセント完璧に具現化するための徹底した演出でした。世間が抱いた「計算高さ」の正体は、自分の見せ方を冷徹に理解していた知性と戦略性の表れだったのです。