伊勢志摩の住民に「本当に美味しい餅菓子は何か」と尋ねると、驚くほど高い確率で返ってくるのが「へんば餅」と「二軒茶屋餅」という二つの名です。全国区のメディアでは赤福が代名詞として扱われますが、伊勢の街道沿いで育まれた餅文化の厚みは、その一角にとどまりません。
1775年創業のへんばや商店が手がける「へんば餅」は、馬を返して参拝に向かった歴史に由来し、平たい丸餅の両面に香ばしい焼き目がつけられているのが特徴です。米粉特有のもっちりとした歯切れと、甘さを抑えたなめらかなこし餡の調和は、一度味わうと虜になる愛好家が後を絶ちません。また、天正3年創業の角屋が誇る「二軒茶屋餅」は、きな粉の芳醇な香りと薄皮餅のやわらかさが際立ち、毎月25日限定で販売される「黒糖餡の二軒茶屋餅」には早朝から長蛇の列ができます。
さらに、焼き菓子の領域で地元民から絶対的な信頼を寄せられているのが、鳥羽市に本店を構えるブランカの「シェル・レーヌ」です。あこや貝の形を模したマドレーヌでありながら、生地には真珠養殖で知られる三重県産の真珠層から抽出した天然パールシェルカルシウムが練り込まれています。外皮は驚くほどサクサクと香ばしく、内側は芳醇なバターの風味でしっとり。伊勢志摩お土産お菓子日持ちの観点でも約3〜4週間の賞味期限を誇り、「失敗しない手土産」として地元企業の慶弔・ビジネスギフトにも指定されるほどの存在感を放っています。