ひと口に「松」と呼んでも、庭木として植えられている代表種には「黒松(クロマツ)」「赤松(アカマツ)」「五葉松(ゴヨウマツ)」の3種類が存在し、それぞれ樹勢も剪定に対する耐性も明確に異なります。同じ感覚でハサミを入れると、樹勢を損ねる原因になります。
海岸線に多く自生する黒松は「雄松(オトコマツ)」とも呼ばれ、潮風に耐えうる強靭さと太く硬い針葉を持っています。芽吹く力が極めて旺盛なため、春のみどり摘みで強い芽を完全に根元から折り取り、弱い芽を残すという厳格な勢力調整が必要です。
対照的に、山地に自生する赤松は「雌松(オンナマツ)」と呼ばれ、幹肌の赤みと柔らかい針葉が特徴です。黒松ほど樹勢が激しくないため、みどり摘みでもみあげでも葉をむしりすぎない配慮が求められます。
庭園や盆栽で人気の五葉松は、一箇所から5本の針葉が出る種です。五葉松は成長スピードが極めて遅く、一度樹勢を落とすと元に戻すのに膨大な年月を要します。他の2種のように「葉を大胆にしごき落とす」ようなもみあげは行わず、枯れ葉を軽く払い落とし、伸びすぎた新芽の先端を指先で軽く折る程度の優しい手入れがセオリーです。