標準偏差を算出した後、ビジネス現場で最も重要になるのが平均値と標準偏差の見方です。「標準偏差が3.7分」と分かっても、それが業務上どれくらいの範囲をカバーしているのかを判定できなければ意思決定には使えません。
統計学では、データの散らばり方が左右対称の釣鐘型になるデータのばらつきと正規分布の理論を基準として活用します。自然現象や人間の行動、製品の製造誤差など、世の中の多くのデータはサンプル数が十分に集まると正規分布に近似することが知られています。正規分布において、標準偏差(記号:σ=シグマ)は以下のような極めて厳密な確率基準を持っています。
この表から分かる通り、実務における標準偏差の目安と判定基準は、「平均値 ± 1σ」を見れば全体の約7割が収まるボリュームゾーンが掴め、「平均値 ± 2σ」から外れたデータは「何か特別な要因がある異常値」と判断できます。
なお、受験などで馴染み深い偏差値と標準偏差の違いについても整理しておきましょう。偏差値とは、「平均点も問題の難易度も異なるテスト同士」を公平に比較するために、元のテストデータを「平均値を50、標準偏差を10」になるように人工的に変換・標準化した数値です。自身の得点が「平均から標準偏差いくつ分離れているか」を換算した指標であるため、標準偏差が分からなければ偏差値は導き出せません。