退職金の支払元は、勤務先企業だけとは限りません。自社で退職金を直接積み立てるのではなく、外部の共済制度や企業年金に加入している事業所が非常に多いためです。制度ごとに書類の様式も提出先も異なる点に注意を払わなければなりません。
中小企業の多くが加入しているのが中小企業退職金共済手続きです。退職時に会社から「退職金共済手帳(被共済者番号が記載されたもの)」や請求書用紙が交付されます。受給者本人が中退共退職金請求書に必要事項を記入し、金融機関の窓口で口座確認印を押印してもらうか、Web上で認証を行って直接、独立行政法人勤労者退職金共済機構へ提出します。中退共は会社を経由せず退職者本人が直接請求する形態が基本となるため、会社の総務任せにせず自ら進捗を管理しなければなりません。
一方、中堅・大手企業で多く導入されている企業年金では、確定給付企業年金請求書を用います。こちらは一時金として全額を受け取るのか、あるいは年金形式で分割受給するのかの選択欄が設けられています。一時金受給を選ぶ場合は、前述した退職所得控除の恩恵を受けるために、確定給付企業年金基金側にも退職所得申告書を忘れずに提出する必要があります。