看板や広告でよく目にする「即日板金」「朝出して夕方バッチリ完了」といったフレーズですが、現場の実情を取材すると、全てのへこみが即日納車に対応できるわけではない実情が浮き彫りになります。オートバックス修理日数と即日対応の可否を分ける境界線は、損傷の深さと店舗側の設備環境にあります。
即日修理が成立する前提条件は極めて厳密です。具体的には、「損傷がバンパー角などの単一樹脂パーツであること」「へこみの直径が15cm以内であること」「天候が安定しており専用の赤外線高速乾燥機が使えること」、そして何より「自社ピットに本格的な塗装ブースを備えた店舗であること」が必須となります。これらが揃えば、朝10時に車両を預け、パテ形成・下地サフェーサー・上塗り調色・強制乾燥を経て、夕方18時前後に引き渡すオペレーションが可能です。
しかし、以下のような条件下では即日対応は不可能となり、2泊3日〜1週間程度の預かりとなります。
- 自社ピットに塗装ブースがない店舗:近隣の集中大型板金工場(BPセンター)や提携下請け工場へキャリアカーで車両を回送するため、往復の陸送日程が加算される。
- 金属パネルの深いへこみ:鋼板の引き出し作業(スタッド溶接等)が必要な場合、熱による歪み取りやパテの自然乾燥に物理的な時間を要する。
- センサー類・ミリ波レーダーの近接部位:2020年代以降の車両はバンパー内部に先進運転支援システム(ADAS)のソナーが埋め込まれており、脱着時に「特定整備」に伴うエーミング(電子軸校正)作業が必要となる。
「今日中に直してそのまま乗り帰りたい」という切迫した事情がある場合は、事前WEB予約や電話確認の段階で、該当店舗が「ピット内即日塗装に対応しているか」「代車の手配状況はどうなっているか」を詳細に確認しておくことがトラブル回避の鉄則です。