桃を切る際に多くの人が直面するのが、「種に果肉が張り付いて取れない」「力を入れすぎて果肉が潰れ果汁が逃げてしまう」というトラブルです。道具と手順のポイントを把握すれば、驚くほど手軽に美しく処理できます。
アボカド方式で攻略する「桃の種の簡単な取り方」
桃の割れ目(縫合線)に沿って包丁の刃を種に当たるまで深く入れ、そのままぐるりと一周切り込みを入れます。次に、両手で桃の左右を包み込むように優しく持ち、左右逆方向に軽くひねるだけで、片側の果肉が種から綺麗に外れます。種が残った側の果肉は、スプーンの背を種の周囲に差し込んでくり抜くか、キッチンばさみで種を挟んで軽くねじるだけで、果肉を削ることなくスムーズに分離できます。
加熱の科学を利用した「桃の湯むきの手順」
皮ごと食べるのが苦手な方や、小さな子ども向けに滑らかな口当たりへ仕上げたい場合に威力を発揮するのが湯むきです。完熟手前の少し実が締まった桃でも、以下のステップを踏めば薄皮がトマトのようにツルリと剥けます。
- 桃のお尻(軸と反対側の先端部分)に、包丁でごく浅く十字の切れ込みを入れる。
- 沸騰したたっぷりのお湯に、お玉などを使って桃を静かに沈め、約10〜20秒間くぐらせる。
- すぐに引き上げ、用意しておいた氷水に浸して急冷する。
- 切れ込みの端から指先で皮を引くと、果肉に傷をつけず薄皮だけが一枚めくりで綺麗に剥がれる。
部位による糖度差を解消する「桃の甘い部分と切り分け方」
桃は1つの果実の中でも糖度が一様ではありません。太陽の光を最も浴びる「頭(果頂部)」が最も甘く、次いで中央部、そして枝に繋がっていた「お尻(軸側)」に向かうにつれて糖度が低くなる傾斜構造を持っています。横に輪切りにしてしまうと甘い部分と薄い部分が完全に分かれてしまうため、切り分ける際は必ず「縦方向のくし形切り」にすることが鉄則です。縦に等分することで、どのピースを食べても均等に甘い部分が行き渡り、食べる人全員が満足できる仕上がりになります。
切り分けた後の褐変を防ぐ桃の変色防止対策としては、酸化酵素の働きを抑えることが肝要です。果肉の表面にレモン果汁を軽く塗布するか、塩分濃度0.5%程度の薄い塩水、または砂糖水(水200mlに対して砂糖大さじ1)に1分ほどサッとくぐらせることで、みずみずしい淡いピンク色を長時間キープできます。