インターネット上の掲示板やSNS、知恵袋を調査すると、「痛いところをゴルフボールで押し込んだら悪化した」「四十肩だと思って鉄棒にぶら下がったら激痛で夜も眠れなくなった」という悲痛な体験談が溢れています。良かれと思って行った自己流の対処法が、実は最も避けるべきNG行動だったというケースは枚挙にいとまがありません。
絶対に犯してはならない最大の過ちは、「痛む結節間溝(肩の前側の腱)を直接指先や器具で強くマッサージすること」です。炎症を起こして赤く腫れ上がり、脆くなっている腱組織に対して直接的な強い摩擦圧迫を加える行為は、火に油を注ぐに等しい暴挙です。繰り返しのマッサージ刺激によって腱組織が線維化して分厚くなり、骨の溝の中でさらに引っかかりやすくなるだけでなく、最悪の場合は腱がすり減って断裂に至る「長頭腱断裂」を引き起こします。
次に危険なのが、「無理な後方ストレッチや腕の過伸展動作」です。胸を開こうとして肘を伸ばしたまま腕を後ろへ強く引っ張るストレッチや、背中の後ろで手を組んで上へ引き上げる動作は、上腕二頭筋長頭腱を極限まで引き延ばし、結節間溝の角に腱を力任せに擦り付ける破壊行為となります。
ウエイトトレーニング愛好家においては、痛みを我慢しながらのベンチプレス、ダンベルフライ、アームカールの継続が致命傷になります。特にベンチプレスでバーを胸深くまで下ろすボトムポジションでは、肩関節が伸展・内旋位となり、長頭腱に剪断応力が集中します。初期の違和感を無視して「パンプアップすれば血行が良くなる」と過信することは、組織の破滅を招く典型的な誤謬です。