SNSや大手掲示板、映画レビューサイトに寄せられる鑑賞者の投稿を分析すると、4DX特有の現場トラブルや鑑賞時のハードルが浮き彫りになります。現場で最も頻出するトラブルの一つが「飲食物と手荷物の取り扱い」です。
劇場内の座席は激しい傾斜運動を繰り返すため、館内への手荷物持ち込みは極めて厳しく制限されています。ユナイテッド・シネマやコロナワールド等の現場運用では、膝上に抱えられないサイズのリュックサック、ハンドバッグ、傘、厚手のコート類は、劇場入口に設置された100円返却式ロッカーへの預け入れが原則義務付けられています。「貴重品以外を預け忘れて座席下へ置いた結果、上映中の激しい振動で荷物が前列通路まで転がり落ちて破損した」「未開封のペットボトルが座席下から吹き飛んだ」という証言は後を絶ちません。
売店で購入したフード類についても、通常の映画鑑賞と同じ感覚で接すると手痛い失敗を招きます。利用者の体験談では、「戦闘シーンの激しい振動でポップコーンが周囲に撒き散らされた」「温かいコーヒーの蓋が外れて火傷しそうになった」といった声が散見されます。4DXシアターへ持ち込む飲食物は、完全密閉できるホルダー付きコールドドリンクのみに留めるのが鉄則です。
さらに深刻なのが「画面酔い・乗り物酔い(動揺病)」の問題です。人間の脳は、視覚から入る情報と内耳の三半規管が感知する加速度のシグナルにズレが生じた際、自律神経が失調して吐き気や目眩を引き起こします。4DXは映像に合わせて座席が動くものの、急激なカメラワークと座席の慣性力が完全に一致しない場面では、車酔いしやすい体質の観客に深刻な負荷を与えます。
「上映開始から30分で気分が悪くなり、途中退場せざるを得なかった」という事態を防ぐため、事前のコンディション管理が欠かせません。寝不足や空腹、あるいは満腹直後の状態を避け、不安がある場合は市販の乗り物酔い止め薬を上映30分前に服用しておく自衛策が推奨されます。なお、肘掛け部分に設置された「WATER ON/OFF」スイッチを押せば、顔面への水滴エフェクトを遮断できるため、視界の悪化やメイク崩れを防ぎたい鑑賞者は入場直後に設定を確認しておくべきです。