「JALがコンコルドを買おうとしていた」という話は、単なる都市伝説や航空ファンの創作ではありません。歴史的事実として、日本航空は1965年に英仏が共同開発を進めていた超音速旅客機(SST)コンコルドの製造スロットを確保するため、3機の仮発注(購入予約契約)を締結していました。
当時はフランスのアエロスパシアル社とイギリスのBAC(ブリティッシュ・エアクラフト・コーポレーション)が国家の威信をかけて開発を急ピッチで進めていた時代です。航空業界全体が「これからは超音速の時代が到来する」と確信しており、JALも国際線の競争力を維持すべく、コンコルドだけでなくアメリカが計画していたボーイング2707(米版SST)にも5機の仮発注を入れるほど積極的な導入経緯を辿っていました。
当時の航空会社にとって、ライバル社より早く次世代の超音速旅客機を路線へ投入することは、国際航空界の覇権を握るための絶対条件とみなされていたのです。