山健組を語る上で欠かせないのが、兵庫県神戸市中央区花隈町に存在した本部事務所です。長年、「花隈」という地名は山健組の代名詞として知られ、組員が黒塗りの車列で集結する威圧的な光景は、地域住民にとって長年の恐怖の対象でした。
しかし、近年の暴力団対策法および暴力団排除条例に基づく締め付けは、この歴史的拠点を根底から解体しました。特定抗争指定暴力団への指定に伴う警戒区域設定により、2020年以降、花隈の本部事務所は立ち入りや組員の集会が一切禁じられる完全閉鎖状態に追い込まれました。
さらに、地域住民の代理として暴追センターが提起した使用差し止め仮処分申請や、固定資産税の負担、維持管理コストの高騰が重なり、最終的に同事務所は民間企業等への売却・解体へと舵を切ることになりました。現場周辺の住民や商店主からは「かつては抗争のたびに防弾板が設置され、子どもの通学路を変更していた。建物そのものが撤去されたことで、ようやく本当の日常が戻ってきた」という安堵の声が上がっています。拠点を喪失した山健組は現在、分散型の連絡体制を余儀なくされており、かつてのような集団的威圧力を誇示することは物理的に不可能な状況です。