かつて店舗内部の労働問題は、当事者間で静かに処理されるか、公的な機関を通じた争いに限られていた。しかし現在、TikTokやYouTubeを舞台にした個人による「告発」は、一夜にして店舗のブランド価値を失墜させる力を持つ。視聴者は演出としての「悪接客」には喝采を送るが、現実の「不正」や「搾取」に対しては極めて批判的だ。
個性的で刺激的な試みが次々と生まれるコンセプト居酒屋の業界において、今回の騒動は大きな教訓となる。斬新なアイデアで客を呼ぶことと、労働基準法を遵守して健全に店舗を運営することは両立しなければならない。演出の「悪さ」と実務の「悪質さ」を取り違えた代償は、あまりにも大きい。