月下美人は、サボテン科エピフィラム属(クジャクサボテン属)に属する着生植物です。その学名はエピフィラム・オキシペタラム(Epiphyllum oxypetalum)。ギリシャ語で「葉の上に(epi)花をつける(phyllon)」「鋭くとがった花びら(oxypetalum)」を意味する名が与えられています。世界各地でその姿に感嘆した人々が、独自の別名を生み出してきました。
月下美人の主な別名・異名一覧
- 和名・通称:月下美人(ゲッカビジン)、夜の女王(広義の呼称)
- 英語名(英名):Queen of the Night(夜の女王)、Dutchman's pipe cactus(オランダ人のパイプ)、Night-blooming cereus(夜咲きセレウス)
- 漢名(中国名):曇花(タンホア / どんか)
- 学名:Epiphyllum oxypetalum(エピフィラム・オキシペタラム)
英語圏で最も親しまれている呼び名の一つが「Queen of the Night(夜の女王)」です。暗闇に浮かび上がる純白の花姿と、部屋中に満ちるジャスミンにも似た濃厚な芳香が、まさに夜を支配する女王の気品を思わせることに由来します。また、湾曲した長い筒状の萼(がく)から花が咲くユニークなフォルムが昔のオランダ貴族がくゆらせた喫煙パイプに似ていることから、「Dutchman's pipe cactus」という親しみやすい別名も広く定着しています。
一方、東洋に目を向けると、中国をはじめとする漢字文化圏では「曇花(どんか)」と呼ばれます。日本の四字熟語「曇花一現(どんかいちげん=めったに見られない極めて稀な出来事や、儚い栄華のたとえ)」の語源となった言葉です。仏典に登場する伝説の霊瑞花「優曇華(うどんげ)」にちなみ、滅多に拝むことができない奇跡の花として、この名が当てられました。