ウルフマンの真の輝きが爆発したのは、2011年から始まった新シリーズ(完璧超人始祖編・オメガ・ケンタウリの六鎗客編)でした。長年の激闘で度重なる重傷を負い、左足の故障も限界に達していたウルフマンは、両国国技館で現役引退を表明し、断髪式を執り行っていました。
そこに突如襲来したのが、大魔寿(オメガマン)の同胞である「完璧・六鎗客」でした。キン肉マンや主要超人が不在のなか、ティーパックマンやカレクック、ベンキマンら正義超人の仲間たちが次々と惨殺されていきます。若き超人たちの亡骸を前にしたウルフマンは、周囲の制止を振り切り、自らの髷(まげ)をハサミで切り落として現役引退を撤回。最後のリングへと上がったのです。
対戦相手は、巨大な牙と超回復力を持つ凶悪超人・ルナイト。体格差と満身創痍の肉体に苦しみ、ルナイトの圧倒的パワーに圧倒されながらも、ウルフマンは決して諦めませんでした。亡き仲間たちの魂とファンの大声援を背に受け、火事場のクソ力を発動させたウルフマンは、必殺の「不知火・雲竜投げ」でルナイトをマットに叩きつけ、劇的な大逆転勝利を収めたのです。
この戦いの中で放たれた名言の数々は、ファンの涙を誘いました。
「親孝行なんてのは、親が生きてるうちにしかできねえんだ!」
「日本の大相撲をなめるなよ!」
不遇と言われ続けた男が、現役最後の意地と誇りをかけて掴み取ったこの1勝は、『キン肉マン』史上に残る屈指の名勝負として語り継がれています。