現在、最も発見報告が多く、かつ高値がつきやすい注目の硬貨が昭和61年後期型の10円玉です。昭和61年銘の10円玉自体は6億8,400万枚と大量に発行されていますが、その大半は「前期型」であり、プレミアがつくのは極めて初期ロットのみに紛れ込んだ「後期型」です。
なぜこの差異が生まれたのか。造幣局が翌年の昭和62年に発売を予定していた「プルーフ貨幣セット」向けに平等院鳳凰堂の金型(極印)を新調した際、昭和61年の通常貨幣製造の最終盤に新しい金型が先行して使用されたためです。
手元の昭和61年銘が前期か後期かを判別するには、以下の3つのポイントを確認します。
- 屋根の連続性と段差:平等院鳳凰堂の中央の屋根(上層)のラインを確認します。前期型は屋根のラインが一直線に繋がって見えますが、後期型は屋根の端に明確な切れ目(段差)があり、立体的に表現されています。
- 階段の縦線と手すりの形状:中央の階段部分を見ると、前期型は階段の両脇の手すり線が途切れず階段全体が平面的です。一方の後期型は手すり線がすっきりと整い、階段の段差がシャープに彫り込まれています。
- 鳳凰の尾羽と装飾:屋根の頂上に立つ鳳凰の形状も異なり、後期型の方が翼や尾羽の彫りが深く、細部まで鮮明に描かれています。
肉眼での判別は難易度が高いため、10倍以上のルーペやスマートフォンのマクロ撮影機能で拡大して確認するのが確実です。流通品であっても状態が良ければ1,000円〜3,000円、キズや摩耗のない極美品・未使用品であれば20,000円〜45,000円という高額査定が成立しています。