一条工務店の建築費は、ここ数年で確実な上昇トレンドを描いています。過去5年ほどの推移を振り返ると、かつて主力商品「i-smart」の本体坪単価は60万円台後半から70万円台前半が相場でした。しかし、段階的な価格改定を重ねた結果、2026年現在の本体坪単価は80万円台半ばから90万円台後半にまで達しています。
この継続的な価格改定の背景には、主に3つの構造的要因があります。
第1に、世界的な木材・建材価格の高止まりとサプライチェーンの輸送コスト増です。自社工場での高プレハブ化を強みとする一条工務店であっても、原材料価格の世界的なインフレは避けられません。
第2に、フィリピンの自社メガ工場における製造コストと為替変動の影響です。断熱材やサッシ、オリジナル住宅設備を一括生産する現地拠点の人件費上昇に加え、長期化した円安基調が輸入コストを大きく押し上げました。
第3に、断熱基準や省エネ法改正に伴う基本スペックの引き上げです。一条工務店は業界に先駆けて断熱等性能等級7やZEH水準をクリアする仕様を標準化してきたため、標準装備そのものの高度化が販売価格に反映されています。