科学ニュースを読む際、さらに頭を悩ませるのが「ゲノム」や「染色体」という用語だ。これらも含めた全体像を整理すると、生命の設計図の全貌が驚くほどすっきりと頭に入る。
巨大な図書館をイメージしてみよう。まず、一人の人間をつくるために必要な遺伝情報の完全な1セット、つまり「図書館の蔵書丸ごと」に相当するのがゲノムだ。その図書館の本棚に整理して収められている23対(46本)の「百科事典の各巻」が染色体である。
その各巻のページを開くと、紙とインクで印刷された長い文字列がある。これがDNAだ。そして、その文字列の中から「目や髪の色を決める」「消化酵素を作る」といった特定の役割を持つ段落や章を抜き出したものが遺伝子に他ならない。ミクロからマクロへの緻密な階層構造によって、私たちの体は維持されている。