ネット上の掲示板やSNSで定期的に浮上する「県営大宮球場の移転・取り壊し説」。その発端となっているのが、埼玉県が推進する「大宮公園グランドデザイン」および「大宮スーパー・ボールパーク構想」です。この計画は、野球場、陸上競技場兼双輪場(大宮競輪場)、サッカー場(NACK5スタジアム大宮)が集積する大宮公園エリア全体を、民間活力(PFI・PPP等)を取り入れた国際水準のスポーツ・エンターテインメント拠点へ再整備するという壮大な青写真です。
構想の初期段階では、公園内の各競技施設を集約・複合化し、野球場を園内の別区画や近隣都有地へ移転新設する案が複数検討されました。これが一部でセンセーショナルに報じられた結果、「大宮球場が近々取り壊される」「もう大宮で西武戦は見られなくなる」という誤解と不安がファンの間で一人歩きする形となったのが移転騒動の真相です。
県の都市整備部および公園緑地課の最新方針によると、緑豊かな風致地区である大宮公園の環境保全、樹木の伐採を最小限に留める配慮、そして資材高騰に伴う建設コストの抑制が最優先課題と位置づけられています。その結果、「既存施設を一度に更地にして移転する」という急進的な方針は事実上見送られ、安全確保のための改修工事を継続しながら、長期的なスパンで施設を更新していく方針が固まっています。2026年時点においても、球場は現位置で稼働を続けており、歴史あるダイヤモンドが突如として姿を消す心配はありません。