神域での厳かな参拝を終えた後は、門前町の活気あふれる賑わいへ身を投じるのがお伊勢参りの醍醐味です。宇治橋前から約800メートルにわたって続くおはらい町と、その中ほどに位置するおかげ横丁には、江戸から明治期の伊勢路の町並みが再現され、数多くの老舗や名物店が軒を連ねています。
まず外せないのが、創業300余年の歴史を誇る名店でのひと息です。早朝の内宮参拝を終えた参拝者が目指す赤福本店五十鈴川カフェのエリアでは、五十鈴川の清流を借景にした風雅なひとときが待っています。赤福本店では、早朝から職人が手作業で波形をつける作り立ての赤福餅を、ほうじ茶とともに味わえます。川沿いのテラス席に陣取り、せせらぎの音を聞きながらいただく餅の滑らかな口溶けは、現地を訪れた者だけが享受できる至福の瞬間です。
続いて活況を呈するのが、おかげ横丁おはらい町食べ歩きの定番グルメです。伊勢名物の代名詞である「伊勢うどん」は、濃厚なたまり醤油ベースのタレと、箸で切れるほど柔らかく茹で上げられた極太麺が特徴。朝の参拝で少し冷えた身体に優しい味わいが染み渡ります。SNSや口コミサイトで連日話題を集める「豚捨(ぶたすて)」の名物コロッケは、小ぶりながら松阪牛の旨味が凝縮されており、揚げたての熱々を頬張る観光客の列が絶えません。
昼食の時間帯には、松阪牛伊勢海老ご当地グルメの贅沢な選択肢が広がります。炙り松阪牛の握り寿司を提供するテイクアウト専門店から、伊勢湾の恵みである新鮮な伊勢海老をお造りや鬼殻焼きで堪能できる日本料理店まで多彩です。ただし、人気店は正午前後になると1時間以上の待ち時間が発生することも珍しくありません。午前11時台の早いタイミングで入店するか、整理券システムを導入している店舗を事前に把握しておく立ち回りが求められます。