刑事上の公訴時効が撤廃されたとしても、被害者や遺族が加害者に対して金銭的な賠償を求める「民事上の不法行為に基づく損害賠償請求権」には別の時効(消滅時効)が存在します。
民法上、人の生命・身体を侵害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効は、2026年4月の民法改正により以下のように規定されています。
- 主観的起算点:被害者または遺族が「損害および加害者を知った時」から5年
- 客観的起算点:不法行為(事件発生)の時から20年
つまり、事件から20年以上が経過した後に犯人が刑事逮捕された場合、刑事裁判で有罪判決を下すことは可能ですが、民事裁判で損害賠償を請求しようとすると、加害者側から「民事の消滅時効」を主張されて請求が退けられる法的リスクを抱えています。
刑事で正義が実現されても、民事上の救済が受けられないという深刻な不均衡を是正するため、民事時効のさらなる見直しや特例規定の整備を求める専門家の提言も増えています。