彼の役者人生における最大の転機は、北野武監督との出会いである。映画『ソナチネ』のオーディションに遅刻しながらも起用されたエピソードは有名だが、その才能が世界的に証明されたのがベネチア国際映画祭で金獅子賞を受賞した『HANA-BI』だった。病に倒れる警察官役で見せた静けさと哀愁は、全世界の映画ファンを震撼させた。
そして後年、二人の深い信頼関係を象徴する作品となったのが『アウトレイジ 最終章』だ。巨大組織のトップとして、腹にイチモツある冷徹な幹部を怪演。北野組ならではの独特の緊張感の中、静かなる狂気を漂わせた演技は、作品全体の重厚感を一段上のレベルへ引き上げた。現場での北野監督との絶妙なディレクションと阿吽の呼吸は、まさに日本映画史に残る奇跡のコラボレーションだったと言える。