日本スポーツ史において最も有名な一戦を挙げるなら、1959年プロ野球天覧試合をおいて他にない。後楽園球場に昭和天皇をお迎えして行われた巨人対阪神の大一番。9回裏、同点の場面で打席に立ったのは、新進気鋭のスター長嶋茂雄だった。
劇的なサヨナラ本塁打がレフト席へ吸い込まれた瞬間、スタジアムの空気は一変した。日本野球機構の歴史に燦然と輝くこの名勝負は、プロ野球という娯楽が国民的スポーツとしての地位を完全に確立した瞬間でもあった。陛下の退出時間というタイムリミットが迫る中でのドラマは、今なお語り継がれる奇跡の一幕だ。